東京ミッドタウンの21_21 DESIGN SIGHTで開催されている「㊙︎秘展 めったに見られないデザイナー達の原画」に行ってきました!
デザイナーの方々がデザインの過程において生み出したスケッチ、図面、模型など貴重な展示物にとても刺激を受けました。
私が行った日の様子はこんな感じです。
- 2020年7月平日の15時に事前予約
- 平日で空いていたので見やすかった
- 案内板の「最大90分まで」の通り見終わった
数多くの展示物すべては撮りきれませんでしたが、展示会に足を運ぶのが難しい方に少しでも内容が伝わるように、この記事ではたくさん写真を載せていきます。
一部を除いて基本的に展示物の撮影可能です。
㊙︎秘展 めったに見られないデザイナー達の原画
歴代のポスターやDM
年代別に作品が飾られています。
今はTwitterなどで有益な情報がバンバン飛び交っているので、デザイン初心者も勉強しやすい環境。SNSが普及していなかった時代からデザイナーとして活躍されている方の努力は計り知れないです。
次の部屋の(原画展示)の見方
はじめの部屋では次の部屋(原画展示)の見方ガイドが壁に書かれています。
原画が生まれるところ
日本デザインコミッティー現メンバー、原 研哉さん、伊藤 隆道さん、鈴木 康広さん、山中 俊治さんの創造現場が動画で流れています。
資生堂 汐留オフィス レセプションフロアのための試作パーツ
完成品の精度を検証するための原寸試作パーツだそうです。
色を重ねているライティングがとても綺麗で入り口の時点で心奪われました。
ユラユラ キラキラ、女性が好む輝きを感じました。さすが資生堂さん。
ポスターにのっていたヤクルト容器を発見。
ヤクルトレディの労力軽減のためにガラス容器をプラスチックに変えた歴史があるそうです。
一面に広がる展示物。
次々と動画が壁に映し出されています。とても綺麗。
面出 薫さん:証明デザイナー
東京駅丸の内駅舎 ライトアッププロジェクト
“和やかな風景”をコンセプトに、少ない電力で陰影の効いた優しいライトアップを心掛けました。模型を使って細やかな陰影を検討しました。
包容力すら感じる穏やかなライトアップが元々大好きでしたが、この制作背景を知って より東京駅が好きになりました。
鈴木 康広さん:アーティスト
記憶をめくるノート
大学卒業後から使い続けているノート。日付や順番はなく、たまたま開いたページに書き込む。約300冊すべてをリアルタイムに使用している。ノートは時制を超えて記憶をめくるための道具。
このノートの量に衝撃です。
書き出すだけでも頭の整理にはなりますが「書いておしまい」ではなく、これからは「活きるノート」を書いていこう。。と決意。
内藤 廣さん:建築家
オレってなんだっけ
自分を過大評価することもなく、かといって過小評価することもなく、これが意外に難しい。あるがままで生きたいのだけれど。
予定表の一角にふと書かれている深い思想。
自分自身を客観的に捉えて向き合うことの大事さを感じます。
25673 3.11のオマージュ
“25673”は2011年5月1日時点で公表されていた死者と行方不明者の数。それをひたすらドットで打った。途中から陶然と祈りのような気持ちになった。
デザインの勉強とは別の次元で感情が込み上がりました。
絶対に忘れてはいけないこと。そんな気持ちを込めてこの記事に載せました。
原 研哉さん:グラフィックデザイナー
スケッチがすべて緻密で、視点、構想、アイディア、あらゆる面で圧巻でした。
全体の構成もひとつひとつ細部まで描かれていて、思わず見入っていました。
数年前から“いつかお酒のラベルを作るお仕事がしたい”という夢を抱いているので憧れます。素敵すぎる。。
佐藤 卓さん:グラフィックデザイナー
手帳の一面にサラサラと描かれているこのアイディアが
誰もが目にしたことのあるこのロゴに成長することに感動しました。
他のスケッチも小さな紙に何枚も描かれています。
ラフスケッチにクシャクシャの紙を添える展示会の表現も印象的。
描いてはやり直し、描いてはやり直し、そういった積み重ねによって人々が感動する作品が生み出されてきた背景を感じさせます。
永井 一史さん:アートディレクター
伊右衛門 のれん
伊右衛門の象徴である“のれん”を商品リニュ-アルにともない、歴史ある世界観を守りながらも新しく見せるための検証
ヘルプマーク
外見から分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲に知らせることで援助を得やすくなるようなデザインを考えた。プロダクトデザインは柴田文江氏による
パッと目を引いて、瞬時に意味が伝わるマーク。
思いやりが詰まっているラフ案。
メルカリのデザイン検討資料
メルカリとTakramの弓馬太郎を中心にコアチームを作り、ロゴマーク・ロゴタイプのデザインを作った。Mercari Sansの書体デザインは小林章氏が担当。
メルカリのデザイン過程がドーンと載っていました。
特に印象的だったのが、書体デザイン “d” に対して「少し倒れそうに見える/お腹が大きく見える点を解消」とわずかな修正があり、プロの細やかな試行錯誤に感動しました。
事前予約が必要
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、当面の間は開館時間の短縮と、Webサイトでの事前予約が必要とのことです。
まとめ
- デジタルに触れることの方が多い生活の中でプロのデザイナーの方の「原画」を間近で見る体験は刺激に溢れていた
- 「完成されたデザイン」を見るのも大事だけれど、それよりもプロの方の「完成させるまでの過程」を覗かせてもらうことに多くの学びがあった
- 私はディレクターを目指しているので、一緒にお仕事するデザイナーの努力を絶対に無駄にしないよう、企画・提案・方向性を細部まで具体的に決めることの重要性を改めて感じた
プロのデザイナーは「卓越した発想で作品を創り出す」イメージでしたが、努力に努力を重ねて多くのアウトプットを出した結果が「よいデザイン」を生み出すんだと実感しました。
「神は細部に宿る」を感じる素敵な展示会です。
最後まで読んでくださってありがとうございました!